youkokada2020年5月28日読了時間: 1分One day no.4更新日:2021年5月13日朝起きると、くぐもった低い音が響いていた。一定のリズムを刻んでいる。昼間は他の音に紛れて聞こえない電子機器の音が、朝の静かな空気の中で伝わってきているのだろうか。ぼんやりとした頭のまま、体を起こして空の様子を見ようと窓のそばに立った。カーテンを開けて窓の外に目をやると、霧が立ち込めている。海もすっかり見えなくなっている・・・ああ。汽笛。この音は。汽笛だったんだ。 犬と散歩に出る頃には霧はすっかり晴れていた。
朝起きると、くぐもった低い音が響いていた。一定のリズムを刻んでいる。昼間は他の音に紛れて聞こえない電子機器の音が、朝の静かな空気の中で伝わってきているのだろうか。ぼんやりとした頭のまま、体を起こして空の様子を見ようと窓のそばに立った。カーテンを開けて窓の外に目をやると、霧が立ち込めている。海もすっかり見えなくなっている・・・ああ。汽笛。この音は。汽笛だったんだ。 犬と散歩に出る頃には霧はすっかり晴れていた。